理学療法士が一般企業に就職して年収が1.5倍!?大手企業に就職した理学療法士だけが知っている話。
- リハビリを学んでいるけど、ほかの職種にも興味がある学生さん
- このままリハビリの仕事を続けてもいいか迷っている人
理学療法士をはじめ、コメディカル、リハビリ専門職を志している人のほとんどは養成校を卒業して医療機関に就職することが一般的です。
転職することはあっても、業界を変えるということはほとんどありません。
現在はいろんな働き方をする人が増えてきており、「リハビリを学んでいるからといって、リハビリ職に就かなければならない」といった常識はなくなりつつあるように思います。
私も実際に理学療法を学んだあと、一般企業(大手自動車メーカー)に就職してみた一人です。その結果、年収を上げることもできましたし、一般企業ならではの貴重な経験を積むこともできました!
今回は、理学療法士が一般企業でも働くことができるのかを体験談を交えてあなたにお伝えしていこうと思います。
一般企業に就職してみようと思った理由
一番の理由は、好奇心からです!
理学療法士の可能性を試してみたいと思ったのも理由の一つです。だけどそれ以上に、「一度リハビリ業界に就職してしまったら一生この業界で生きていくことになるかもしれない」、「周りに流されて当たり前のようにリハビリ業界に就職してもいいのか…」という思いもありました。
そこで、一般企業に向けた就職活動を開始しました。理学療法士には縁がないと思っていた「リクナビ」や「マイナビ」にも登録し憧れの就職活動をスタートさせたのでした。
理学療法士が一般企業に就職するリスクは?
資格があるからこそチャレンジできる
「苦労してとった資格だから、もったいないかな…」
理学療法士が一般企業へ就職することに対して、こんな不安を持っているあなた!
資格があるからこそ、極めて低いリスクでチャレンジできます!!
ダメだと思ったらすぐに理学療法士に戻れます。臨床から離れたからといって、理学療法士という資格が喪失する訳ではありません。これが、国家資格保有者の一番の強みではないでしょうか。
就職活動をするだけなら間違いなくノーリスク
一般企業へ就職するための就職活動を行うこと自体は、何のリスクもありません。しかも、リクナビやマイナビなどの就活サイトへの登録も無料です。自分の空いている時間に起業の説明会や就活セミナーに参加することもできますし、メールに送られてくる企業の情報に目を通しながら、自分のペースで企業研究を進めることもできます。
一般企業への就職が内定しても辞退できる
理学療法士などの医療職の人には「内定を辞退する」という概念がありません。病院採用試験も先輩や学校からの紹介で1つの医療機関のみ採用試験をうけ、そのまま就職というパターンが多いですよね。
一般企業へ就職するための就活は、仮に採用試験を受けた企業から内定をもらえたとしても、「内定を辞退する」ということが可能です。気になる企業は何社でも採用試験にエントリーできますし、同時に複数の企業から内定をもらえることもあります。
あなたが一般企業の採用試験を受けて内定をもらったとしても、必ずその企業に就職しなければいけない、という義務はありません。
理学療法士が一般起業に就職するメリット・デメリット
メリット
いつでも理学療法士に戻ることができる!
2030年には3人に1人が高齢者になる「超高齢化社会」となります。今後、超高齢化社会を迎えることになる日本では、身体機能の低下を予防することが重要視され、リハビリの需要は高まると言われています。今後、特に介護保険領域での理学療法士の仕事は増加していくため、理学療法士としての仕事に困ることはないと言えるでしょう。(スポーツリハや小児リハなど人気で専門性の高い領域ではちょっと難しいかもしれませんが…)
年収を1.5倍上げることができる!
理学療法士の平均年収は404万円に対し、私が働いていた自動車メーカーの平均年収は670万円。就職する業種によって変わってきますが、私の場合は一般企業に就職することで年収を上げることができました。
デメリット
私が思い浮かぶデメリットは1つもありません。
私自身、一般企業に就職してその後理学療法士として臨床に戻ることができています。仮に一般企業に転職してみて数年後、やっぱり理学療法士に戻ろうかなと思ったとしても、一般企業へ就職しようというチャレンジ精神があれば全く問題ありません。理学療法士として臨床に戻り、適応することは一般企業への就職にチャレンジすることに比べれば全く難しいことではありません。
理学療法士が働けそうな業界は?
企業研究をしていくと、意外な業界でも理学療法士としての知識や経験を活かせると分かりました!どんな業界があるのか見ていきましょう。
スポーツメーカー
これは理学療法士なら一度は憧れた業界ではないでしょうか?アシックスやミズノなどではアスリートの足を徹底的に研究しデータを取りながらスポーツシューズの開発・研究を行っています。どちらかというと、理学療法士の仕事の一つとも言えますね。
ベッドメーカー
フランスベッドや日本ベッドでは、家具屋さんで売っている一般的なベッドだけではなく介護ベッドの開発もしています。介護ベッドは電動で背中を起こしてくれるタイプも多いですが、どの位置でベッドが折れ曲がると寝ている人の身体に負担がないか、など研究をしています。
樹脂メーカー
モルテンなどの樹脂メーカーはボールや樹脂部品を作っているだけではありません。樹脂メーカーである強みを活かし、寝たきりの人の床ずれ防止のためのエアマットレスの開発を行っています。人間が仰向けに寝ている際に、身体のどの部分に体重がかかっているのか、といった耐圧分散測定行っており、人の身体についての某大なデータも持っています。モルテンも今では福祉用具の大手メーカーとして急成長している会社です。
自動車メーカー
「福祉車両の開発」が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。「人間工学の分野」でも、日々研究が進められており「車に乗る人が快適な姿勢」を研究したり、「製造工場で働く人たちの体に優しい職場環境の設定」など行っています。労働衛生、といった分野に近い仕事になります。
外食産業
ワタミなど名の知れた外食産業でも、高齢者や障害のある人たちが飲み込みやすい食事の開発・研究をしています。ムセずに食べたものを飲み込むための姿勢や椅子の背もたれの角度など多方面から研究・開発を行っています。
インナーメーカー
ワコールなどのインナーメーカーも理学療法士とは縁がなさそうですが、体にフィットするインナーを作るために女性の身体の測定を行い膨大なデータを持っています。また、インナーをストレスなく装着するための身体の動きの研究も行っています。
無事に一般企業に就職が決定(インタビュー形式)
ここからは私の体験談・インタビュー形式になります!
エントリーした企業は?
上記の業界に関連する企業の説明会に行ったり、面接を受け続けました。
人気の職種であるスポーツメーカーは、書類選考を通過し最終面接まで進むことができたのですが、激戦のため振り落とされてしまいました。スポーツメーカーの面接会場に行くと、面接を受ける人のほとんどが営業職希望ということもあって100人以上の日焼けした爽やかスポーツマンがひしめいており、面接会場の熱気がすさまじかったです。私を含む研究職の志望者は10人ほどで、別室で静やかに面接が行われました。
どうやって自動車メーカーに内定したの?
自動車メーカーに就職先を選んだ理由は、製造工場で勤務する人たちの腰痛予防に役立ちたい、という思いが強かったためです。
地元企業ということもあり、大手自動車メーカーのマツダに就職が決まりました。そのご縁を繋いでくれたのは、大学院生だった時にお茶飲み友達だったお隣の研究室の教授。そのお隣の研究室の教授との茶話会中に就活の話をすることがあり、「理学療法士なのに一般企業に行きたいなんて珍しいことするのー!ワシが学校推薦もらえんか聞いちゃるけん!」と言ってくださり、運良く学校推薦をもらうことができたのです。笑。
「理学療法士・作業療法士ももっと企業に進出してほしい」との思いが強く、私のチャレンジを応援してくれました。
「理学療法士が一般企業に就職したい」と聞くと、突拍子もないことに聞こえますが、勇気をもって自分のチャレンジを公表してみることが大事です。
自分の考えに賛同してくれる人が現れるはず!!
入社直前にリーマンショックが起きる
卒業を控えた2008年9月に、忘れもしないリーマンショックが起こりました。
リーマンショックの影響はあったの?
内定取り消しや派遣切り、といった言葉が世間を賑わしていましたよね。きっと東京とか大都市の話だろうし、地元の企業に内定した自分には関係ないと思っていました。しかし、残念ながら私の就職にも影響があったのです。
工場で働く人たちの環境改善業務に携わる予定だったのですが、急遽配属先が変わりR&Dという車自体を開発部門に配属されることに。
私が自動車メーカーに就職を決めたのも「自動車を作る人」に興味があったからです。「自動車」というモノ自体に興味がなかった私はすさまじい不安に襲われたのでした…。
実際に自動車メーカーに入社してどこに配属されたの?
車両開発本部のボディー設計チームに配属されてしまいました。
不安なまま4月になり、入社してみると車のボディー(骨組み)の部品を設計する部署に配属されてしまいました!!いわゆる、ルーフとかピラーという部品を設計する仕事です。パソコンのCADというソフトを使って、部品の形を考えたりするのが主な仕事でした。CADを使って部品設計をしながら、空いた時間を見つけては毎日作業服を着て工場に行って鉄錆だらけになったり、女子にはなかなか過酷な部署でした。そのせいか、配属された部署は350人以上の大所帯で、女性はわずか3人という完全アウェー。与えられる業務も完全に畑違いで分からないことだらけ。公差って?剛性って何??と毎日泣きそうになりながら(結構泣いてました)車好きのおじさんたちに混ざって、工学系の参考書を片手に必死で働き続けました。
CADとは「Computer Aided Design」の略で、「キャド」と読みます。これまで手作業だった設計や製図をコンピュータで行うため、日本語では「コンピュータ設計支援」と訳されています。自動車やスマートフォン、冷蔵庫など身の回りにある数多くの製品は、すべて図面を基に作られており、CADはその図面の設計、作図をするのに欠かせないツールです。
発注ラウンジさんより引用
一般企業に就職してみて携わった仕事は?
仕事①車体の塗装工場での工場実習
私が就職したマツダでは、新入社員は工場実習に行くことになっていました。どこのメーカーでも新入社員の工場実習はよくあることだそうです。
私も真夏の3か月間の工場実習を経験。配属先は「塗装工場」でした。車身体に色を塗っていく工場です。しかも夜勤ありの二交代制。拷問レベル。実際に車体に色を塗るのは塗装ロボットがやっていたので、私は車体に色がついてほしくない場所にテープを貼ってマスキングをしていく、という作業を1日8時間やり続けていました。工場の中は常に35度を超える厳しい環境の中で、次から次へとラインに流れてくる車体にマスキングテープを10か所近く張り続け、汗だくになりながらがむしゃらに働いていました。工場もおじさんばかりで、いつも塩飴をもらって励ましてもらっていました。
工場実習は体力的にも精神的にも本当に辛かったのですが、5キロもやせました!
仕事②車体設計業務
①の工場実習が終わった後、本格的に車体設計業務に携わりました。主な業務内容は
・CADでの部品設計
・図面の作成
・工場での現物確認
など。
世の中に公表する前の最新の車のデザインを見れたり、完成した車体をわざと壁にぶつけて安全性能を検証する実験にも立ち会わせてもらったりしました。あと、私が設計した部品で特許を申請したりもしました。特許申請のために弁護士さんと面談したりと、今思うと貴重な経験ばかり!
とてもやりがいのある仕事ではありましたが、自分の凡ミスで何百万という損失を出してしまう可能性もある仕事でもありました。私を含め誰もが日々プレッシャーを感じながら常に納期に追われながら仕事をしていました。そのせいか、うつ病になって休職する先輩や同僚もたくさん見てきました。
実際に自分が設計した車が街中を走っているのを見ると、今までの苦労が吹き飛んでしまうぐらい興奮して嬉しかったことを今でも覚えています。
仕事③商品開発部での女性ターゲットカスタマー像の選定
新入社員研修で、商品開発部門が「女性のターゲットカスタマー像」を選定するプロジェクトを進めていると知り、無謀にも私も志願して参加させてもらっていました。このプロジェクトには、所属している部署に関係なく女性社員であれば参加することができたので、デザイナーやエンジン開発部、中国営業部なといろんな部門の人と知り合うきっかけにもなりました。
このプロジェクトの主な業務は
・女性のターゲットカスタマー像を構成するキーワードの選定
・ターゲットカスタマー像に当てはまる人を探し、アンケート
・ターゲットカスタマーの人物像の深堀り
ターゲットカスタマー像の選定の仕方について、博報堂などの広告代理店の方から教えてもらうこともありました。また、プロジェクトのアウトプットと半期ごとに役員にプレゼンテーションをしたりしていました。
一般企業に就職してみて取得した資格・スキルは?
機械製図検定2級
機械製図とは理学療法士には聞きなれない言葉ですよね。製造の分野で使用する部品を二次元的に設計図に落とし込んだものを「機械製図」と言います。理学療法士で福祉住環境コーディネーターの資格を持っている人は、住宅改修する家の間取りの図面を見たことがある人もいるかもしれませんね。
製図(せいず, drafting, drawing)とは、器具を用いて図面を製作することである。 物体等の機能や構築状況を視覚的に伝える作図の作法および規律。
私が配属された車体設計業務の部署では、必ず新入社員は受験しなければならないことになっていました。私は図面を見るのも初めてだし、機械の部品に触ったことすらないのですべてが初体験。同期たちは、大学の工学部出身の人が多く機械製図は慣れ親しんだもの。しかも、大学の授業でやっていたから楽勝!というツワモノも多かったです。
私は模試でもいつも最下位だったのですが、上司に業務量を調整してもらい勤務時間の一部やお昼休みに製図室にこもり、ひたすら部品の図面を書き続けました。
休憩時間にも自分のデスクで、製図用紙を広げて頭を抱えていると、通りすがりの先輩達が応援してくれるようになってきたんです。周りの人たちが応援してくれて、手伝ってくれて恵まれた環境で合格するしかない!と奮起。大好きなベリーダンスのレッスンも休んで家でも職場でも図面を書き続けました。
その結果、合格率45%という難関を突破することができたのでした!!
機械製図を習得したのでパソコンでCADを使って部品設計も楽ちんになりました。
TOEIC860点
日本以外にもアジア・ヨーロッパ・メキシコにも製造拠点があり、担当する部品が海外で製造されていることもしばしば。そのため、社員は全員1年に一度のTOEIC受験が推奨さられていました。昇進のためにも一定の点数をクリアすることが必須となっています。
しかも、社内TOEICというシステムがあり受験料無料で業務時間内にTOEICが受けられると知り、私は俄然やる気に!同僚や先輩たちは、業務が滞るしめんどくさいわー、とTOEICを受験していませんでしたが、私は年に2回ぐらい自主的に社内TOEICを受けに行ってました。年に2回、3年間受け続けたのでTOEICの点数も上げることができました。しかもタダで。笑。
結論:理学療法士も病院以外で働ける!
こうやって振り返ってみると、何の経験もなく何も知らないゼロからのスタートだったからこそ、勇気を出して何にでもチャレンジすることができたと思います。そして、がむしゃらに取り組んでいたら自然と周りの人たちが助けてくれて、どんな困難も乗り越えることができました。それだけでなく、結果を出すこともできました。様々なスキルを身につけることができたし、いろんな人に自慢できる経験もできました。
「理学療法士」という資格に守られている、という根拠のない自信や安心感がある状態では、絶対にここまでの行動力は生まれなかったと思います。
今はこの仕事から離れてしまっていますが、今でもこの経験は私の自信と誇りの源になっています。
今後の進路や方向性に悩んでいる学生さんや理学療法士、作業療法士さんの参考になれば嬉しく思います。
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